あとがき










※ ネタバレが満載なので注意してください ※











(念のための改行役 ティーちゃん)










ここでは伏線っぽいものや裏設定などを書いてみたので、よかったら読んでみてください♪










最終章 「希望の詩」 で、ジェントの正体がフォラートルだと判明しますが、
序章 「残された伝承」 以降、全く出てこない名前なので、すっかり忘れられていそうなくらいですね…!

そんな彼がフォラートルであることを暗に示しているものが物語中に幾つかあります。



まずは音楽用語から付けた名前。

folatre(フォラートル)…陽気に おどけて

ジェントそのものですよね?(笑)



ちなみに、以下の3人も音楽用語から名前を付けました。



artig(アールティヒ)…可愛らしく 優雅に

綺麗な響きと可愛らしいというイメージが合わさって、お気に入りです。



innerlich(イナーリヒ)…心からの 精神的な 内面的な

あまり感情を表に出さない不器用な彼ですが、その心は優しさで満ちているというイメージから。



irisee(イリゼ)…光彩をおびた 虹色になった

大草原を統べるものという神々しいイメージに加えて、純粋に名前としても綺麗な響きだったので。



運命の5人という(一瞬で否定される)設定のために、
決まった頭文字から探す必要のあったイナーリヒには苦労させられました。



フォラートルの話に戻ります。



「まだ見ぬ地へ」 で初登場したときに、
イナーリヒから “ お前は存在自体が不審者だからな ” と言われていますが、
この言葉には、ジェントの正体が天使であるという含みを持たせています。
「幻想雪原」 でも相変わらず、いじられています(笑)。



「それぞれの決意」 で再会したときは、
ティーエに天使が持つ独特の不思議な音を感知されています。



「母の歩いた道へ」 では、
“ いつか絶対に空を飛んでみせるんだから ” というティーエの寝言に強い郷愁を覚えています。



「守りたいもの」 で絶体絶命のティーエを助けてみせたジェントですが、
それは、ただ身のこなしが軽いからだけではなく、天使の翼で飛ぶことができたから。

翼は視認可能ですが物理的なものではなく、また自在に扱えるため普段は隠して行動しています。
このときも、やっぱりティーエに不思議な音を感知されています。

また、手を触れずに物を動かすティーエのことを、誰よりも舌を巻いていると語っていますが、
それは人間を創りだした神の傍に居た彼だからこその感情で、
人間は、そんな風に創られていないはずという驚きが込められています。

そんなティーエの秘密は最後に書きます。



「守りたいもの」 「旋律の回廊」 で、
イリゼが大草原を統べるものへと変化したのは自分のせいだと罪を感じていますが、
それは神の意思をイリゼに伝える役割を担い、それを実行したことが全ての始まりだと思っているからです。

ちなみに、その身には重すぎる使命を背負わせることに責任を感じて、イリゼとイナーリヒの旅に最初から同行していました。
イナーリヒが心を許して天使いじりをするのも、その信頼関係が成せるものでした。
ジェントという名前も、そのときに付けてもらったものです。



いろんな伏線を張り巡らせつつ、
最後までバレないといいなぁと思いながら書いていたのですが、どうだったでしょうか?





そもそも、なぜ聖女に選ばれたのがイリゼなのか?



「虹をこえて」 のラストシーンでアールティヒが “ 全部、ここから始まったんだね ” と言っていますが、
大草原は神が最初に創造した大地であり、実は神にとっても全ての始まりの地でした。

そんな大草原に生き続けている人々は神やフォラートルとの親和性が非常に高く、
それは音楽用語から付けた独特な響きの名前にも表れています。

自らが創りだしたはずの箱庭に目が行き届かなくなった神でしたが、
やはり大草原には思い入れが強く、その大地だけは常に見守り続けていたこともあり、
その中でも特に純粋な心の持ち主であったイリゼが選ばれました。





最後に、ティーエの秘密について。



老婆に拾われて育てられたというティーエですが、
その正体は、フォラートルが神の世界を消滅させたときに箱庭の世界に降り注いだ、とても儚い煌めきから生まれ落ちた存在です。

不思議な能力を宿しているのも、どこか空を飛ぶことに憧れているのも、
仲間や老婆が、その背中に翼が見えるような錯覚を起こすことがあるのも、そういったところから来ています。





最後に美味しいところ持っていったかに思われたジェントでしたが、
あとがきまで含めると、本当に美味しいところ持っていったのはティーエなのかもしれません(笑)。





ここまで、ありがとうございました♪





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